年末調整の還付へそくりにしてる人けっこういるよね!払いすぎた税金をしっかり清算して家計の足しにしよう。
年末調整の基本
年末調整は、主に給与結果者(会社員やパート、アルバイトなど)のための税金の精算制度です。簡単に言えば、年末調整によって一年間の税金の過不足が調整され、還付や追加徴収が行われます。
年末調整の主な目的
得税の過不足調整です。会社員の場合、毎月の給与から一定の額が得税として天引きされていますが、この金額は年間を通じた正確な得額に基づくものではありません。そのため、年末調整ではその過不足を計算し、払いすぎた分が返還され、足りない場合は追加徴収されます。
年末調整のメリット
免除による節税効果、税金の過不足調整が自動的に行われます。
手間が省ける
年末調整は、税務の専門知識がなくても会社が代行してくれるため、給与結果者は自分で確定申告を行う必要がありません。
税金の過不足が自動で調整される
毎月の給与から天引きされている得税は仮の額に過ぎません。そのため年末調整で年間の給与額の過不足が自動的に調整され、払いすぎた分が「還付金」として返され、不足分が年末に徴収された。
控除を適用することで節税できる
年末調整では、さまざまな控除を適用することで所得税を軽減できるため、結果的に節税につながります。
扶養控除
配偶者や子供、親などの扶養家族がいる場合
配偶者控除
配偶者の所得が一定以下の場合
保険料控除
生命保険、地震保険、介護保険などの保険料支払額がある場合
住宅ローン控除
住宅を購入し、ローンを組んでいる場合
基礎控除
全ての人に一律で適用される基本的な控除
これらの控除により、課税所得が減り、最終的に納める税額が軽減されます。
還付金を受け取れる可能性がある
払いすぎた所得税がある場合、年末調整後に還付金として返金されることが多いです。これは翌年の1月頃に給与と一緒に支給されることが一般的です。
確定申告の手間を減らせる
年末調整では、通常の給与所得に対する申告が完結するため、基本的には自分で確定申告をする必要がなくなります。
税制優遇を活用できる
年末調整の中で税制優遇制度が適用されるため、節税対策がしやすくなります。住宅ローン控除などの制度を利用することで、税額が大幅に軽減されることもあります。
これらのメリットにより、会社員の方は面倒な手続きや税金の調整を会社に任せつつ、節税や還付の恩恵を受けられる仕組みが整っています。
年末調整のデメリット
副業収入や特定の許可には対応していない
年末調整は基本的に給与結果に対する税額調整であり、副業収入(年間20万円以上)、株や不動産収入、フリーランスの収入には対応していません。
医療費免除や寄附金免除(ふるさと納税など)も年末調整では適用されず、別途確定申告が必要です。
住宅ローン免除の初年度には確定申告が必要
住宅ローン免除は、初年度に関しては年末調整で処理できず、確定申告をしなければなりません。
漏れ申告や記入ミスで不利益を被ることがある
年末調整では多くの書類や情報を提出するため、提出漏れや記入ミスがあると、本来受け取られるはずの権利が適用されなかったり、還付金を受け取れなかったりするリスクがあります。
年末の忙しい時期に負担がかかる
年末調整の手続きは11月〜12月に行われますが、特に年末は仕事が忙しい時期であることが多く、書類の準備や記入に時間を取られるのが負担になることがございます。
年末調整に必要な書類の一覧
年調の基本的な書類
- 給与所得者の扶養控除等等(異動)申告書
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扶養家族がいる場合、その家族について申告するための書類です。
- 給与所得者の配偶者控除等申告書
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配偶者を選択するための書類です。配偶者の収入一時定額以下の場合に提出します。
- 給与所得者の基礎控除申告書
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結果に応じた基礎免除を受けるための書類
税務書類
- 税金申告書
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- 生命保険
- 地震保険
- 介護保険
- 住宅借入金等特別控除申告書(住宅ローン免除)
-
- 住宅借入金等特別控除
初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で申告できます。
その他の許可に関する書類
- 中規模企業等掛金控除申告書
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小規模企業決断やiDeCo(個人型確定申告書提出年金)に加入している場合に行う書類です。
- 障害者控除申告書
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障害者を選択するための書類で、本人や免除家族が障害者手帳を持っている場合に必要です。
- ひとり親権利・婦人権利権利申告書
-
ひとり親権や婦人権利を認める場合に提出する書類です。
- 勤労学生控除申告書
-
勤労学生が認める場合に提出する書類です。一定の条件を満たした学生が対象となります。
年末調整の書類は、通常11月~12月にかけて会社から配布されることが多いですが、必要な免除証明書は早めに保険会社や金融機関から受け取り、準備しておくとスムーズです。
必要な書類の入手方法
源泉徴収票
基本的に、会社が準備します。そのため、転職した場合など前職の収入がある場合は、前職で発行してもらう源泉徴収票が必要になります。
源泉徴収票や年末調整でよくある質問
保険料控除申告書(生命保険・地震保険・介護保険など)
各保険会社から毎年10月〜11月に郵送されます。
住宅借入金等特別控除書(住宅ローン承諾)
住宅ローン確定初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降の年末調整には税務署から発行された「住宅借入金等特別承認証明書」が必要です。
小規模企業短期等掛金免除申告書(iDeCo・小規模企業短期など)
iDeCo(個人型確定拠出年金)の場合、国民年金基金連合会から毎年10月頃「掛金払込証明書」が郵送されます。
障害者控除申告書
障害者手帳または障害者手帳のコピー
勤労学生控除申告書
学生であることを証明するために学生証や在学証明書のコピーを提出する場合があります。在学証明書は学校の事務局で発行されます。
年末調整の書き方
年末調整後
年末調整が完了すると、税金を過剰に支払っていた場合、還付金があります。もし税金が不足している場合は、差額を『過不足調整』として清算されます。
還付金がある場合の受け取り方法
- 給与と一緒に振り込まれる
- 個別に振込される
- 現金で支払われる
還付金を受け取るタイミング
通常、年末調整が終わった12月中に源泉徴収票が発行され、その後、翌年の1月給与に還付金が振り込まれます。
確定申告が必要な場合
年末調整ではカバーされない場合確定申告が必要になります。
給与以外の所得がある場合
- 副業収入やフリーランス収入
- 株式や不動産収入
医療費免除を受ける時
医療費控除の対象になるのは、支払った医療費すべてではなく「一定金額を超えた分」のみとなります。
医療費控除額=1年間に支払った医療費-保険金などで補填される金額-10万円(合計所得金額が200万円未満の人は合計所得金額×5%)
ふるさと納税を5自治体以上で行った場合
基本的にふるさと納税は「ワンストップ特例制度」を利用して確定申告は不要です。ですが、5自治体以上でおこなった場合は確定申告が必要です。
住宅ローン免除の初年度
住宅ローン確定は、住宅購入の初年度に限り確定申告が必要です。
会社で年末調整をうけられなかった場合
転職して
年内に会社を退職し、次の年まで再就職しなかった場合などは、年末調整が行われていないため、確定申告をして税額の精算をする必要があります。
雑免、寄附金免除、その他の例外免除を申請したい場合
雑損免除(災害や一時的な損失が発生した場合)や、特定の寄附金免除(寄附金が年末調整で申請できない場合)、またはその他の特別免除を受けたい場合も、確定申告が必要です。
得られた税の還付を受けたい場合
年末調整で対応していない免除を適用することで、得られた税金の還付を受けられる場合があります。
年末調整の重要性
- 控除を反映し、税負担を軽減する
- 納税手続きを簡素化する
- 手取り額の増加につながる可能性
- 知らないと損!会社員の給与明細項目 – さゆかの暮らし 毎月貰える給与明細もしっかり理解できている人は少ないのでは?給与明細項目について勉強しよう!
アルバイトでも年末調整が必要?
アルバイトで年間収入が103万円を超えない場合、基本的に年末調整も確定申告も必要ありません。 なお、複数の勤務先から収入があり、源泉徴収される税金がある場合などは、確定申告を行うことで還付を受けられることも、状況に応じて検討しましょう
まとめ
年末調整は、給与所得者にとって税金の過不足を調整し、適切な控除を受けることで税負担を軽減する重要な手続きです。手続きが簡素化され、確定申告を行わずに税額調整が完了するという点も、給与所得者にとって大きなメリットです。